
昔むかし、争う人々を鎮めるため、神の裁きによって岩が割かれたという伝説が残る宮城県・南三陸町の神割崎。ほぼ垂直に分かれた岸壁に太平洋から流れ込んだ荒波が打ち寄せ、豪快な水飛沫を散らすさまは迫力満点。南三陸金華山国定公園の一角にある岬の上からは、およそ180kmに渡ってのびるリアス式海岸や太平洋を眺めることもできます。この神割崎では1年に2回、ちょうど真っ二つに割れた岩の間を朝日が昇ってくることがあります。岩と岩の隙間を太陽の光が照らしながら昇ってくるさまは、何ともいえない力強い美しさに満ち溢れています。2011年の東日本大震災では周辺の遊歩道が崩れたり地盤沈下するなど他の沿岸地域ともども被害に遭いましたが、それでも神割崎の堅固な岸壁は揺るがず、昔と同じ様子で美しい朝日を仰ぐことができたため、地元の人々からは「希望の朝日」と呼ばれています。
JTBは環境省とのパートナーシップにより、日本の国立公園の魅力を発信しています。
時期:10月下旬と2月中旬の約1週間
時間:早朝(日の出の時間に合わせて出発)
所要時間:約60分
峻険な岸壁に荒々しく波が打ち寄せ、飛沫が舞う神割崎。壮大な景色にふさわしい美しい朝日は、1年に2回だけ、絶妙なタイミングで岩と岩の隙間から姿を見せます。付近の岩場には逞しいクロマツの木々やニッコウキスゲ、ハマギクなどの花を眺めることもでき、荒々しい波打ち際とは正反対の、穏やかでゆったりとした松林の森林浴を楽しむこともできます。
南三陸町と石巻市の境目でもある神割崎には、古い伝説が残っています。かつてこの神割崎に一頭のクジラが打ち上げられたものの、隣り合う村同士の境界に打ち上げられたため、村人達は互いに所有権を主張して争いました。ところが夜になると雷が落ち、神割崎もクジラも真っ二つに裂けてしまいました。「これは神様の裁きに違いない」と考えた双方の村人達はクジラを分け、以降は割れた岬を村の境界に定めたと言い伝えられています。
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※見学の際は十分足元にご注意ください。特に早朝(日の出前)は、足元が暗いため懐中電灯を持参することをお勧めします